世界の都市には多くの共通課題があります。
少子高齢化、気候危機、農業と食料安全保障、働き方の変革、そして貧困と格差。
これらの問題をすべて解決している都市はまだありません。
だからこそ、つくばには、市民とともに新たな挑戦をしながら、
生活の課題を解決し、市民が幸せに安心して暮らせるまちへ進んでいく使命があります。
つくばで市民が幸せになるモデルを作り、世界にヒントをもたらしていくことが、
「世界のあしたが見えるまち」というヴィジョンです。
マニフェストの土台となる5つの考え方
そして、そのヴィジョンを実現するために、今回のマニフェストの土台となる5つの考え方をお示しします。
- 全世代・全市民の幸せ
- 子育て中のひと、高齢なひと、障害のあるひと、働いているひと、学んでいるひと、守られるひと。様々な世代の、様々なひと、みなが市民です。
そして、それぞれの市民の幸せは、誰かを不幸せにはしません。私たちは対話し、ともに生きることができます。だから、私のマニフェストでは子育ても教育も福祉も経済も、すべての分野が入っていますし、2期8年で、誰かを犠牲にすることなく幸せは実現できることを示してきました。だから、今回のマニフェストも、全世代・全市民の幸せを掲げています。
- 科学技術を使った課題解決
- つくばが国から選ばれたスーパーシティ型特区は、地域の困りごとを新しい技術を使って解決することを目指しています。
そして、つくばの研究機関や企業から生まれた技術を、日々の生活で使えるようにするために多くの新しい企業(スタートアップ企業)の活躍も始まっています。もちろん科学技術は、一部の使いこなせる人のためのものではありません。むしろ、意識をせずとも自然にそれを使えることが理想です。そして、政策を作る際には、科学的根拠やデータが必要な一方で、寄り添う気持ちややさしさも必要です。そんな「やさしいテクノロジー」と「たしかなデータ」で市民の幸せを創ります。
- 持続可能な15分都市
- つくばには歴史ある周辺市街地が8地区あります。つくば市が誕生する前は、それぞれの町村の中心部であり、都市機能も集積されていました。
長い年月が経ち、今、再び周辺市街地の重要性が増しています。
「15分の徒歩」で公共施設や医院、お店など生活に必要な場所に行けるエリアを作ります。そして、その周辺の地区は8地区に15分の公共交通で移動できる形を目指します。さらに、それでも補えない距離は、やさしいテクノロジーによって必要なサービスを受けられるようにします。
- 変革し続け、市民と共創する市役所
- 市民の生活を守り、具体的な政策を実現していき、市民生活に前向きな変化をもたらすためには、市役所の組織全体も変わり続ける必要があります。常に市民が必要としていることを掴み取り適切な施策を生み出せるよう、変革と組織開発を進めます。
- 「緑」への転換(グリーン・シフト)
- 今年も異常とも思える夏の暑さだけでなく、10月に入っても30度を超える日があるなど、地球は温暖化を超えて「沸騰化」していると言われています。そして、その原因は人間の活動にあることは、科学的にも示されています。今こそ、環境を軸にした社会に変えていく時です。私たちの生活が地球に与える影響を減らし、将来の世代も安心して暮らせるまちを。エネルギーを自然由来にすることも、生物の多様性を守ることも、まちに緑を増やすことも、すべてがグリーン・シフトです。そして、それは生活を我慢して苦しくするということではありません。新しい技術を使った環境に関わる仕事も増えるため、まちも市民の生活もより豊かになります。国から脱炭素先行地域に選ばれたことも含め、「緑」への大きな転換を進めていきます。