友朋堂閉店に思うこと。

友朋堂

友朋堂、閉店してしまいました。
 物心つく前から夜寝る前に父に連れられて通いだし、こどもの時はマンガの立ち読みを散々させてもらい、受験になれば参考書を探すついでに小説を買い、、自分の体を作ってくれている一部でした。個性ある選書に惹かれ、大人になってもふらっとお店を歩くのは最高に贅沢な時間でした。親になっても、こどもたちの文具はいつもお世話になり続けました。先日出した初めての本を梅園店に並べていただいているのを目にした時は言葉にならないうれしさでした。
 空気のようにそこにあるのが当たり前すぎて、ネットが強くなろうともありつづけるものだと思ってしまっていたし、もっと応援の仕方があったろうにと申し訳ない気持ちで一杯です。便利さを優先して小さな安易な選択を積み重ねたことが、結果として自分の生活から大切なものを失わせることになってしまったことには考えさせられます。スティーブ・ジョブズが亡くなった時は、一般的な未来への喪失感を感じましたが、今回の突然の閉店は、個人的な過去の大切な部分が失くなってしまうようなさびしさ。センチメンタルになっても問題は何も解決しないし、明日も同じことを繰り返してしまうのかもしれないけれども、小さくても愛される小売が地域に残るようなまちでありたいとあらためて思います。
 つくばの歴史の中で個性的な光を放っていた友朋堂は、つくばの文化の発信拠点というより、文化そのものだった気すらします。募集したメッセージは印刷して確かにお渡ししました。あっという間に10ページ分以上集まったメッセージや、閉店時間を過ぎても挨拶をしようとする人の列が耐えない様子に、友朋堂がいかに愛されていたのかあらためて実感しました。いつの日か復活する日が来ることを信じています。今まで本当にありがとうございました。

友朋堂へのメッセージはこちらからご覧になれます。当面残しておきますので、よろしければメッセージをお書きください。