日本中に広がる #保育園落ちたの私だ‬ 「解決する政治家」から「問いを共有する政治家」へ変わる時

書影

農場長の伊藤が、保育園についてと私の本についてFacebookに書いてくれました。Facebookをやっていない方にも共有したいので貼り付けておきます。ちなみにつくば市の公式発表によると2016年2月の待機児童は-205人。つまり205人分空きがある、ってほんとですか? 本にも書きましたが、このカウント方法にはいろいろなカラクリがあります。市の担当課の方も子育て関係の会議で「潜在的な待機児童は1000人くらい」と認めているのですが、これが実感値と近いでしょう。我が家の3男と長女は幸運にして保育所に入れましたが、上の子の同級生で、下の子が同じ保育所に入れなかった子がクラスわずか20数人のうちに2人もいます。毎朝夕2箇所の送り迎えをするか、それを諦めて預けないでいる状況。少なくとも、正しい待機児童数を算出しないと、待機児童の解消のための政策が打ち出せるわけもありません。一時が万事、こういうことがいろいろな政策分野で起きているとも感じます。

政治不信や無関心の大きな理由は、政治家が問題をわかっていないままピンぼけな政策ばかりを打ち出してしまうことにあると思います。問題を正しく理解していないから、解決策も当然まちがってしまう。結果として「やっぱり政治家ってバカだよなあ」とか「やってほしいのそこじゃないんだけど、ほんとわかってないよなあ」ということになってしまうわけですが、この声は当の政治家に届くことはありません。だから、そろそろ「問題を解決する政治家」という像から離れて、「問いを共有する政治家」へとシフトしていく必要があると考えています。マッチョイズム満載に「俺に任せれば解決してやるぜ」なんていうリーダーシップのスタイルはもうずっと前のもので、実はかえって迷惑だったりする。「今何が問題になっているんだろう」「誰が本当に困っているんだろう」「その原因はなんなんだろう」「どうすれば前に進むんだろう」ということを一緒に考えるきっかけをつくる力が政治家に求められる素養だと思います。これは、市民の側も同じです。政治家に答えを求めたりしてもダメで、ちゃんと問題を伝えることから始めないといけない。「保育園落ちた」ブログはそういうきっかけの大きな一つになったし、『あなたのまちの政治は案外、あなたの力でも変えられる』もそうなればと思って書いたものです。

—以下農場伊藤のFacebook引用—

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「保育園落ちた日本死ね」というブログが広がっています。僕の長男は第一希望の保育園には入れませんでしたが、運良く別のところに入所できました。先日産まれた次男はどうなるかわかりません。この問題、他人事ではありません。声を挙げることがすごく必要だと思います。でも、声を挙げても、次のステップをどうしたらいいかわからないこともたくさんあります。保育園以外にも、おかしなことはたくさんあるのに、そういうことにも気づかないままになっていることもたくさんあります。
 だからこそこの本を一人でも多くの人に読んで欲しいと思っています。『あなたのまちの政治は案外、あなたの力でも変えられる』というタイトルのこの本の主人公は、まさに保育園に入れるかわからないで不安なママです。国では「保育士を無資格にして増やす」とか「退職した学校の先生にやってもらう」なんてことが検討されているようですが、現場を少しでも知っていればどれだけそれがずれていることかわかるはずです。この本にもはっきりと、他の産業よりも月で10万も低い保育士の待遇を改善しないといけない、と書いてありますがその通りだと思います。そして、保育園以外でも街灯やバスや介護や農業のことまで、あらゆる毎日の生活のことが書いてあって、それがすべて政治とつながっているんだということがわかります。動き出さなきゃと思います。
 著者は学生時代からお世話になっている人だし、ごきげんファームの代表でもあるので身近過ぎる僕が書くとわざとらしい感じがしていて今まで紹介するのを遠慮していました。でも「保育園落ちた」のブログが国会で紹介されるとヤジが飛んだというニュースを読んで、もう黙っていてはいけない気がしました。正直なところ政治的なことを書くのはためらわれますが、そうやって遠慮してる内に政治家は勝手に勘違いしたまま勘違いした政策を進めてしまいます。この本が広まれば、まちはほんとに良くなると思います。僕もまちを変えるために、ちょっと勇気を出してこの投稿をします。黙っていたり「政治的には中立」だなんて言ってると日本はどんどん住みにくくなっちゃいます。どうかシェアしてください。ツイッターでもブログでもなんでもいいです。よろしくお願いします!!
『あなたのまちの政治は案外、あなたの力でも変えられる』(五十嵐立青)