ごきげんファームへの誹謗中傷について

 出馬表明をして数日、ある陣営が誹謗中傷の怪文書を用意しているとの情報が入ってきました。内容は「いがらしはごきげんファームで補助金ビジネスをしている。補助金がたくさん入っているのに、障害者にそれをすべて払わずに役員で山分けしている」というような内容だそうです。呆れてしまいますが、言うべきことは言います。

 ごきげんファームが行っている事業は障害者総合支援法に定められている、障害のある人のための就労支援事業で、利用人数に応じて給付金が入ります。その給付金は事業の運営のために使われ、障害者の工賃に充ててはいけないということが国によって定められています。「補助金を障害者に払っていない」という主張を、専門外の人間ならともかく、市長選挙に出ようとする陣営が行っているのであれば、非常に驚きを覚えます。

 ごきげんファームの活動計算書等の詳細な書類一式は、監督官庁にすべて提出しており、当然公開もされています。ホームページでもすべて公開しています。 顧問税理士の指導のもと1円単位でずれることなく現金実査をし、市の監査・県の監査も定期的に行われております。ごきげんファームの運営主体である特定非営利活動法人つくばアグリチャレンジは、全国のNPOの中でもまだ2%未満しか取得していない認定NPOを取得しておりますが、これは県によって徹底的に情報の透明性をチェックされ、そのチェックをクリアして初めて取得可能なものです。

 政治に身をおくものとして、誹謗中傷は覚悟のうえです。私個人についてのデマもこれまで散々流されてきましたし、今も流されていますが、相手にはしていません。根拠が無い低次元の中傷は、反論する価値もないからです。

 ただ、ごきげんファームに対する中傷については黙っているわけにはいきません。ひょっとしたらくだらない誹謗中傷でも1万人に1人くらい信じてしまうかもしれないし、何より、全力でがんばっている職員とスタッフたちに本当に申し訳ないからです。彼らは、この真夏も、今日も、畑で全力で活動をしています。これまで働く機会がなかった、どこかで働けてもすぐ辞めざるを得なかった、あるいは辞めさせられた、そういう状況からごきげんファームに来たメンバーです。最初は週に半日しか来ることができなかったスタッフが、今では畑のリーダー格として週に5日活躍したりしています。

「ごきげんファームに来てはじめて仕事が続いた」「初めて生きがいを持っている」「今までは生きていても死んでいた、ごきげんファームのおかげで生まれてきた意味がわかった」そんなことをスタッフたちは話してくれます。

 そして、社員も日々全力です。今、正社員とパートを合わせて16名が働いてくれています。彼ら・彼女らもどうしたらスタッフがいい形で仕事をすることができるようになるか、いい形の支援ができるかということを、ミーティングを重ねながら工夫し、トラブルが起きれば対応をし、大変な思いをしても前向きに仕事をしてくれています。働く意思のある人は誰ひとりとして断らないことを理念に、どのような障害があろうと不採用にすることは決してせずに一人ひとりと向き合ってくれています。結果として皆様から高い評価を受ける仕事ができ、野菜の売上も増え、工賃としては全国平均を遥かに上回る金額を支払うことができています。付記致しますと、昨年の給付金は約1億1千万円ですが、それらは人件費、消耗品費、委託費等に使われます。昨年は繰越金が約3700万と例年に比べて多くありますが、これは利用者とご家族からのリクエストがずっとあったグループホームと新事業所(どちらも今年度中にオープンすべく打合せを重ねています)のための資金として残し、総会でもその旨を報告した上で決算と予算を決議致しました。

 ごきげんファームは国のモデルとして評価をされ現職の農水大臣の視察もありました。農林水産省と厚生労働省が連携で開始した農福連携事業の第一回のシンポジウムで私は講演も行いました。農場長は世界の青年会議所による「活躍する世界の若者10人」にも選ばれました。国の基準を順守し、厳しい監査を受け、障害のあるスタッフと支援の職員が日々全力で活動をしておいしい野菜を作り、それを買っていただき自立につなげていく。この事業を「補助金で金儲けしている」と誹謗中傷するのであれば、市内の、そして全国の同様にがんばっている事業所とそれに関わるすべての人に対する冒涜です。蛇足ですが、私はごきげんファームのために借り入れを2000万円以上しています。手取りは先月は30万円。金儲けをしたければ他の仕事をします。

 折しも、相模原での障害者の惨殺というあまりに残忍な事件が起き、障害者への偏見の根強さに暗澹たる思いとなるとともに、スタッフたちが活躍することで地域や周囲の見方を変えていくしかないとあらためて考えていたところでした。市民の幸せのためにどうやって仕事をすべきかを考えるべきタイミングで、市長選挙に出ようとする陣営がその真逆のことを行っているのであれば悲しいことです。市民の福祉を第一に考えるべき人間が、「生まれてきた意味がわかった」とがんばっているスタッフを、誹謗中傷によってまた深い闇に叩き落とすことは許されません。

 今回、中傷文書が出ることの情報はなぜわかったのかを追記しておきます。ある陣営の幹部で、これまで市政の中枢にいた人物が複数の場面で「いがらしの補助金の不正問題がもうすぐ出る。そうすればいがらしは出馬できなくなる」と吹聴していることを多くの方からご連絡をいただいたからです。別の人物も別の関係者に同様の話をしていたそうです。それらの場所、そこにいた人物、日付等はこちらですべて記録をしています。現在、弁護士と協議をし、仮に匿名で中傷ビラを出したとしてもそれらの情報をすべて警察に提供し、刑事告発できる準備を整えています。吹聴の発言は複数の場所で複数の方実際に聞いていますから、警察がそれらを元に捜査をしていただけば知らないでは済まされないでしょう。

 繰り返しますが、私個人のことは何を言われても構いません。ただ、ごきげんファームへの誹謗中傷は認められません。スタッフと家族、社員、そして全国の仲間たちを守るために言うべきことは徹底的に言っていきます。ご理解のほどよろしくお願い致します。