COMPACT CITY PORTLAND(まちづくりアドバイザー山崎満広氏)

全米で住みたい街NO.1ポートランド市の開発局職員として、まちづくりに直接携わってきた山崎満広氏。今年度から市のまちづくりアドバイザーとして手腕を発揮してもらっています。

 今回は、まちづくりの手法、成功事例などこれまでの経験に基づく講演をお願いしました。会場には一般の方が100名、職員が50名集まり満席。来場された方に聞いてもものすごく満足度の高い会になりました。あらためて印象的だったのは、とにかく時間を掛けてまちづくりをするという点。ワークショップなどで最初に大変でも数年掛けてじっくり絵を描くことで資産価値が上がっていくことをみなが理解している。時間が掛かりすぎてそこから引っ越してしまう人もいるとのこと笑 徹底してますね。

タイトルは『COMPACT CITY PORTLAND』
◯造船業が盛んだった1970年代のポートランドは大気や河川が汚染され廃れ始めた
◯40年後、全米で最も環境にやさしい、最も住みやすい街に生まれ変わった
◯都市デザイン・コンセプトは健康的で自立的に持続可能な地区
◯コミュニティワークショップなどで市民の意見を取り入れて官民共働でまちづくり
◯デザインの目標は4つの“C”…Continuity(連続性)、Connectivity(連結性)、Community(コミュニティ)、Culture(文化)
◯川沿いのハイウェイを撤去し一部を緑地公園、街中心部の駐車場を広場にするなどパブリックスペースを積極的に整備
◯路面電車などの公共交通や自転車道などを整備してCO2削減
◯通り沿いの建物の1階はガラス張りにしウインドショッピングやカフェを設置エンガワ(縁側)空間をつくり歩きを楽しめるように
◯ファーマーズマーケット、地ビールやワインなど地元の産品・製品を積極的に購入し地産地消で地元の経済を潤す
◯綺麗な街で住民が楽しく幸せに暮らす姿を見て人が集まる→全米で住みたい街No.1

 質疑では、つくばのまちをどのように変えていくかとの質問に「それはみなさんが決めること、他を真似する時代は終わった。つくばの強みを生かしたデザインを」と。また、中心市街地活性化の課題について、」百貨店がなくなったのは百貨店で買う人がいなくなったから。多様性の観点で考え、急ぎではあるが街の顔として次世代に残すようじっくり考えることも必要」との話しがありました。

講演は夕方からでしたが、山崎さんには朝早くから打ち合わせ、昼食も一緒でたっぷりと意見交換をしました。休憩もあまり取れない非情なスケジュールでしたが、パワフルにこなしていただき、様々な見識と適切なアドバイスは頼もしい限りです。

 つくばのまちづくりは課題山積、さらに中心市街地は待ったなしなので、アドバイスをもとに今後もスピード感と長期的視点を持ち進めていきます。