総合運動公園問題の検証委員会について、第三者委員会の郷原委員長が『「事業の検証と責任追及」についての小池知事と五十嵐市長の決定的な違い』というタイトルでブログを書いてくださりました。小池都知事の豊洲市場問題と比較してくださっています。
今回の検証で第三者委員会のみなさまにお願いしたのは、あくまでも犯人探しではなく、今後の市政運営に資するための調査にしていただきたいということでした。そのために、議会で議決をいただき、条例に基づく第三者委員会という形で完全に独立で行っていただきました。私はその過程で誰に聞き取りが行われたかすら、委員会からの報告をいただくまで知り得ませんでした。
選挙で対立をして首長が変われば、どうしても前市政に対して批判的な目線での行政経営が行われるのが政治の世界の常かもしれません。私自身、率直に言えば市原前市長とは根本的に考え方を異にする部分が多くあります。私の就任前に出されていた指示・あるいは出されていなかった指示を把握し、驚くこともたくさんあります。しかし、だからといって自分の思いのまま前市長を糾弾することは一時的な快哉を呼ぶとしても建設的な市政運営にはつながりません。
総合運動公園計画というつくば市政史上最大の計画であり、大きな失政であった事業は、事実を事実として検証し、今後同じことを繰り返さないために、事実認定を含めて市政経営に資するものにする必要があります。前任者の粗捜しをするためだけに市政運営のための貴重な時間や資源をムダするという発想など毛頭なかった今回の検証についても、一部の方にはなかなか理解していただけず、「なんで前の人を責めるの?」などと言われ、唖然としたこともありました。
今回の報告書を基に、今後の大規模事業を進める際のルール作りを進めます。今回の件はどこの地方自治体でも起こり得る問題ですし、だからこそこの報告書は非常に価値のあるものと思います。地方政治の劣化が指摘されて久しい昨今、自治体経営を適切に進め信頼を取り戻すためには、政治家が属人的な恩讐を超えるしかありません。全文を公開していますので、政治や行政に関わるみなさまはぜひお読みくだされば幸いです。
報告書リンク→ https://www.city.tsukuba.ibaraki.jp/14278/14279/206/3969/020976.html